ボクの記憶が確かなら、「私をスキーに連れてって」以来のスキー映画だったような。久しぶりのオリジナルストーリーだとかCG使わない生身のアクション（ただし「スタントマン使ってない」とは一言も言ってないけど）とかいろいろ事前の宣伝で言ってたけど、その辺はズバリ言ってどうでもいい事なんです！原作付きだろうがCG満載だろうが、まずストーリーと出演者でボクは判断するって。
で本作だけど、まず「アンフェア」の安藤（瑛太）と「容疑者 室井慎次」の小原久美子（田中麗奈）のダブル主演っていうだけでまず燃えて、「雪山のバカ３人組とスキーの出来ない花嫁」という設定にもシビれて劇場に足を運んだ訳だけど、「実は過去の傷がある」という設定が一昔前の日本映画って感じでちょっとだけ残念だったなあ。
以下ネタバレで箇条書きにストーリーを追いながら感想を。
・まず最初のシーンで３人組のスペックを見事に描いてたのには脱帽！特にジャンプ台から落下傘を使ってスキー場の客に「何でも屋」の宣伝をする辺りは『凄腕だけど困った奴』っていうのをいちばん分かり易く表現してたもん。あんのテクニック並みのスキーヤーには無理だよなあ。でもってあれが終盤に活躍する訳なんだよね。
・スキーが滑れない田中麗奈が雪山で結婚式っていうのはかなり無謀じゃん！彼氏の趣味に合わせて承諾したんだろうけど、なら決まった直後から特訓しろって！「３日間で滑れるようになる」なんて無理だって！でもそれがあるから瑛太にレッスン頼むっていう展開が無理なく出来たんだろうけどなあ。余談ながら煽り番組で「実はガチで滑れずクランクイン前に練習した」ええぇ？？
・その田中麗奈が一人で滑ってて脇に落ちて行く場面にはここだけの話だけど萌えた！！（＾＾；；後ろ向きに落下していくから胸より尻派のボクとしてはもう失神寸前！（笑）で助けに現れる瑛太が「5000円でいいか？」おいおいおい・・・でもってレッスンやって「カモだ（ニヤリ）」と１日で大金稼いで３人で焼き肉食うなんて分かり易すぎるよぉ！！（笑）
・中盤から「過去の傷」が徐々に出て来る訳だけど、なぜか玉山鉄二まで持ってるとは驚き！それで落ち込むのを励ますのに
よく分かんねえけど、自分で決めて辞めた奴は「逃げた」って言わねえんじゃねえの？
なんてカッコ良すぎる台詞じゃん！触れたくない所には触れず、それでもちゃんと励ます台詞を言える瑛太は凄いよ！でも玉山鉄二のこのエピって中途半端に終わっちゃったのが残念だったなあ。
・常々金欠だと言ってるのに、どうやってロシア製キャノン砲を買えたんだ？？そもそもあれを個人で買うのは違法じゃないのか？？百歩譲って許可制だとしたら、よく許可取れたなあ。猟銃でさえ警察とかから許可取るの難しいのにさあ。
・でそれをブッ放つ事で雪山の教会を見事に破壊！そんな事知らず「今まで滑れないコースを滑れる」とご満悦の３人を雪山警備隊がブン殴る！そりゃ怒るでしょ。なのに田中麗奈だけでなく新郎の身内に詫び入れようと連絡したら
半年前に死んでるって何だ？？
てことは、今回の来訪って何の目的で来たの？もし教会が破壊されず予定どおり式当日になったらどう申し開きするつもりだったの？？
・この事件（？）をきっかけに雪山放浪する田中麗奈。一方、３人組を罵倒する警備隊と乱闘騒ぎを始めてたら、サトエリが出て来て目撃情報を伝えたら、前述したジャンプ＆落下傘で遭難した田中麗奈の元にやって来るなんてマジでタダ者じゃねえなあ。
・煽り番組で言ってた「下ばっかり見てちゃダメだ。顔上げて遠くを見ないとね」って、てっきり瑛太を励ます台詞かと思ってたら、単にボーゲン滑る為のコツかよ！と突っ込みたくなったけど、これを聞いた瑛太はもちろん励ましの台詞と受け取ったんだろうね。だから「帰んなよ」と傷心の女の子に迫りキス寸前まで行き、挙げ句競技復帰を決断する訳だね。
・でもって大会に電撃参戦して難易度の高い技（前回失敗したトラウマ的技）に再挑戦するも、当然のごとく失敗。いくら毎日滑っていても、自己流の滑りとコーチ付きで練習してるのは雲泥の差があるでしょ。言ってみれば、素質だけで単独練習して吉田秀彦に負けた小川みたいなもんで、吉田は高坂を筆頭に総合のスキルたくさん持ってる選手と練習してるんだから当然の結果でしょ。
・それでも落ち込まずゴールまでキッチリ滑り地元民の喝采を浴び、「お前の居場所はそこだよ」と賞賛され、最後には田中麗奈もやってきてみんなで記念写真。これで奇麗に終わらせ、「その後の２人はどうなったんだろう？？」と余韻を残すラストも良かったね。これで安易に恋愛関係になれるほど簡単なもんじゃないもん。
・蛇足ながら、この映画は続編を作るより「田中麗奈出現前のバカ三昧の毎日」を描くか、玉山鉄二をメインにした話にするか『スピンオフ』にした方がいいよね。あと３人組の残り１人は「ただのバカ」にしか見えないけど、後にNHK朝ドラの「ちりとりてん」で主人公の夫・そーそー兄さんだという事を知ってビックリ！この芸の幅の広さが凄いよなあ（笑）
