MW=ムウ=







いきなりネタバレですが、犯人側を主人公とした場合、最後は逮捕されるか銃殺されるか、もしくは殺されたと見せかけて「実は生きてました」というラストになるのがパターン。残念ながら本作もご多分に漏れず、玉木宏は死んだと思わせておいてラストで刑事に電話してきてました。続編やる気満々かもな。

とは言うものの、「悪役」としての玉木宏は新鮮な上に、意外にハマってたよ!これがのだめの千秋様か?ラブシャッフルのうさタンか?と思うくらいダークサイドに徹する姿が魅力的だったなあ。序盤の誘拐シーンで、何の躊躇もなく親子を撃ち殺すシーンなんか、下手なサスペンスドラマの犯人役真っ青だったもん。

だから個人的には、原作を読んでないので何とも言えないけど、公開前から言われていた「この作品の『キモ』である『同性愛』を描かないのは片手落ち」という批判は全く気になりませんでした。「ああ、あの神父は気弱だから親友の犯罪を止めたくても出来ないんだ」と脳内補完で一人勝手に納得しちゃってます。

というか、原作ガン無視なのはさておき、「同性愛描写」というのは、よほどの脚本と演出でやらないと、それこそ腐女子を釣るだけの底の浅いモノになりそうだと思うので、本作のスタッフがどんだけの力量持っているのか知りませんが、様は無理に冒険しなかったんでしょうね。

その一方で驚いたのが、玉木宏を追う刑事が、外見は普通の中年オヤジなのにやたら体力あって頭脳明晰。タイでも全力疾走何キロやってんだ?しかもカーチェイス展開?本当に日本のベテラン刑事かよ・・・というくらい驚いた!あと石田ゆり子!かなり重要なキーマンなのに、最期はアッサリとヘリからの銃撃で惨殺されちゃうなんて、ちょっと勿体ない起用だったな〜と思いました。

で神父さんも最期はムウを抱いて入水飛び降り自殺。玉木宏の乗ったヘリが狙撃された事を考えると、主要登場人物ほとんど死んでるじゃん。「実は玉木宏は生きてました」というラストじゃなかったら、救いも何もあったもんじゃないから、これはこれでありなのかもね。