時をかける少女





オリジナル版主人公の娘を主役にした全く新しい話でも、タイトルが一緒というのは、「ジョジョ」と同じと思えば別に違和感ないし、サマーウォーズの監督が作ったタイトルだけ同じ全く違う作品でも題名が同じ事を考えれば、そんな事はどうでもいいんです。要は面白いか否か?という事が問題であって。

結論から言うと、ラスト以外は面白かったです。そもそも今回の主人公である娘の仲里依紗は、アニメ版「時かけ」でも主役を演じてたけど、あれは声だけだったし、実際の演技を見るのは(いろんな意味で)伝説のドラマ「学校じゃ教えられない!」以来だったけど、あの時のエリちゃんといい意味で変わってなかったし。そもそも「本来行く予定だったのと違う時間にタイムスリップしてしまう」という失敗を上手に生かしているな〜という気がしてました。

なのに!そういった全ての積み重ねをラストが台無しにしてしまいました。最後に深町が出て来るのは当然の成り行きだとしても、何で母親に会いに行くの?あれじゃせっかく過去に行って走り回った娘が主人公じゃなくて、単なる母親のパシリじゃないの!あのシーンがなければ、それなりに面白い映画だったのになあ。

とは言うものの「記憶を無くしても、想いは忘れない」というコピーはいいな〜と思いましたね。深町が温情で残してくれた8ミリフィルムを鑑賞してて、記憶がないのに感涙する光景なんかは、本当にベタかもしれないけどいい演出だと思ったし。それだけに、本当にあの愚行だけは残念でなりませんでした。